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「通訳になりたい」 「世界と日本の架け橋に」 「国際的な仕事をするのが夢」

このような「夢」を抱く高校生・若い人は、佐野にも、足利にも、栃木にも、たくさんいるでしょう。でも、それってどんな仕事なのか、学校生活の中で触れる機会はほとんどない と思います。

今日は、憧れの「夢」を実現し、「翻訳家・通訳」として活躍する戸叶淳介先輩(佐高出身)をご紹介しましょう。

戸叶淳介先輩は、佐野高校(ラグビー部OBです1987年卒)、慶応義塾大学文学部を卒業しました。そして、奨学金を得てオーストラリアへ留学、フリンダース大学で修士号を取得しました。現在は「英語のプロ」として活躍、また茨城大学人文学部で英語の講師もされています。様々な文書の翻訳、たとえば契約書や論文、法律条文や報告書などを、日本語から英語に訳す仕事のほか、ロハスピープルのための生活マガジン「ソトコトSOTOKOTO」(環境系の雑誌です)では、外国人記者が書いた英語記事の翻訳を手がけています。青樹会にも教えに来てくださる、優しい素敵な先生です。

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今回は、ノーベル平和賞学者のムハマド・ユヌス教授の通訳としての、淳介先輩の仕事をご紹介したいと思います。

ムハマド・ユヌス教授(Dr. Muhammad Yunus)は、佐野高校や足利高校、栃木高校などで使われている教科書「CROWN」(2、3年用) Lesson 6 The Grameen Bankに登場する、グラミン銀行の創始者です。

教科書CROWN

教科書CROWN ムハマド教授


7月、来日したユヌス教授のインタビューの通訳を淳介先輩がされました。

約1時間のインタビュー。「通訳の方が大変だから」とゆっくり、短く話してくれるのは最初の2回程度だよ、と淳介先輩笑います。インタビューが進み、熱が入ってくれば、その勢いは止まりません。集中力を必要とする、重要な役目です。淳介先輩は、このお仕事に取り組む「姿勢」について語ってくれました。


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1 準備を怠るな

ムハマド・ユヌス教授はバングラディシュの方です。「英語」と一口に言っても、本当に様々です。インド、ケニア、日本の人が話す英語は、同じ言語とは思えないほどに違います。
(日本語だって、佐野弁、津軽弁、大阪弁、標準語では、全然違いますよね)
インタビューへの準備として、淳介先輩は、ユヌス教授の声、どのくらいの速度で話すか、アクセントはどうか、くせがあるかどうかを知ることから始めました。ユヌス教授がスピーチをしている映像を入手し、それをすべて文字に起こす作業~聞こえたものをすべてタイプするトランスクリプション~から始めました。英語が本気で「できる」先輩でさえ、というべきか、その難しさをわかっている先輩だからこそ、準備を怠らないのです。

2 伝達者として~相手の信念を理解する

淳介先輩、ユヌス教授の著作を一冊選び、徹底的に研究しました。(もちろん英語のものです!)
ユヌス教授と日本の関係、彼の信念、これまでの活動や講演内容、今回のインタビューの趣旨からどのような回答が予想されるかまで、ノートにとったものを見せてくれました。
「こういうことは、青樹会で学んだ姿勢でもあるんだよ。」と話してくださいました。「僕の英語の基礎は、青樹会だからね。」とも。

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ソトコト10月号
ソトコト10月号に掲載されています。

ユヌス教授の記事
ユヌス教授の記事です。「お会いして更に、素晴らしい方だと実感したよ」と淳介先輩

ズームインすると
Junsuke Tokano
緑矢印に注目。Interpretation by Junsuke Tokanoとあります

ソトボラ新聞
ここにも淳介先輩の名前が載っていますね


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それでは淳介先輩への独占(笑)インタビューです♪

Q1 高校時代は、どのような将来を考えていましたか?夢は何でしたか?

高校生前半までは、格闘技選手などカッコいいものに憧れていました。受験が迫る頃は、漠然と「何か一つのことを追求して行きたい」、「世の中を正しくするようなことがしたい」と思っていました。

Q2 いつ青樹会と出会いましたか?青樹会と出会って変わったことは何ですか?

高校2年の初夏でした。中学・高校の先輩のご両親の紹介でした。青樹会との出会いがなければ今の自分はない、と言えるほど大きな存在です。大学受験では精神的にも支えていただいたお陰で浪人せずに第一志望校に合格できました。また、留学準備でも語りつくせないほど大変お世話になりました。留学前後、青樹会は自分の「職場」となり、社会に出る上で必要な様々なことを、実践を通して教えていただきました。様々な場で、通訳や翻訳の経験も積むことができました。そういった意味では、まさに今の自分の原点です。また、先輩や後輩、教え子たちと出会うことで、色々な刺激を受けました。

Q3 青樹会での面白いエピソードや、印象的な出来事を教えてください!

僕が高校生の時、青樹会はとても小さな平屋の建物(小屋?)でした。小さな小屋をアコーデオン・カーテンでさらに分割し、北側は美術、南側は英語・数学の教室になっていました。英語の教室の入り口は裏側(ちょうど緑のカーテンのあたり)にあって、ある日、部活帰りで授業に遅刻した僕が脇道を急いで走って行くと、教室全体が激しく揺れたそうです。僕は重量級でしたから(笑)。教室に入ったとたん、皆に大笑いされたのを覚えています。

Q4 先生からもらったアドバイスや言葉で、大きかったものは何ですか?

「相手が王様でも物乞いでも、同じ自分として接することが大切なのよ。」

受験生の頃、先生がおっしゃった言葉です。常にゆるぎない自分を持つこと、そして、社会的地位や容姿に惑わされず、自分を含む全ての人間の「本質」に目を向けることの大切さを教えてくれた、重い言葉でした。

Q5 後輩たちに、そして佐野の若い人たちにメッセージをお願いします。

これからは、「どこの大学を出たか」「どこの会社でどんな仕事に就いているか」よりも「どういう姿勢で仕事をするか」が今まで以上に大事になると思います。僕は、東大を出ていても仕事のできない人間や、高校中退でも立派に仕事で成功している尊敬すべき人間に何人も出会ってきました。また、成功しているかどうかは、年収や肩書ではなく「自分が納得できているか」で決まるとも思います。
それから、勉強はどんな仕事に就いても、どんな生き方をしていても、人生を豊かにしてくれると思います。学問とは、世界を知ること、人間を知ること、そして考える力を身につけることです。仕事で成功したい人にも、遊んで暮らしていたい人にも必要なのです。青樹会での勉強は、そういう勉強だと思います。
皆さんがここを巣立った後、充実した幸せな人生を送れることを心より願っています。
では、そのうち授業でお会いしましょう!

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皆さんは、このような素敵な先輩を身近に持てて、とても幸せです。
このように活躍される先輩たちを見るたびに、私はいつも、先生の言葉を思い出します。

「100%でやらないなら、意味がない。適当にやるくらいなら、やらない方がまし。」

とことんやることの意味を、もう一度考え直させてもらえる、淳介先輩の仕事への姿勢でした。

(MASAMI)

(追記:9月20日)

淳介先輩より、ユヌス博士のトランスクリプションのファイルと、
Youtubeのリンクをお送りいただきました。

ユヌス教授の名前を検索すると、動画がたくさんヒットします。
今回のインタビューには、東日本大震災に関する質問があったので、
「それに対する教授の回答を予測するために、この動画を探し出しました。」
とのこと。

「なまりも少なく、ききとりやすい英語」と淳介先輩。
 さて、みなさんはどうですか?(大丈夫。字幕付きですよ)
リンクはこちらです↓↓
ユヌス教授 東北大震災について語る Youtube

勉強熱心な、可愛い生徒たちのために、
淳介先輩作成のトランスクリプションを掲載します。
Hi. I am terribly shocked by the terrible earthquake that hit Japan. Like me, all the Bangladeshis are terribly shocked. All the people around the world are terribly shocked.

Every time we had a disaster in Bangladesh, people in Japan always stood up to help us, to stand by our side, so that we can overcome terrible trauma of the disaster. So this is our turn to stand beside you. And we will do all the things that we can do, to make sure you don’t feel alone – your friends are here – and we will do the best we can.

And I am very happy that the Grameen Creative Lab. at Kyushu University is organizing a conference, TEDxEarthquake9.0, to make sure we can bring our creativity and our technology to solve the problems of the earthquake victims. And we have done a similar initiative in Haiti when Haiti was hit by a terrible earthquake. And there, Grameen Creative Lab came up with the ideas of social business. We thought this would be an appropriate occasion to apply the idea, or the concept, of social business. And along the way, we created Y.Y. Haiti Social Business Fund so that the resources are available, and young people within Haiti and from outside and companies from inside and outside, can come forward to design structures of social business, so that the problems of victims can be addressed right away and in a business way, so that it can become and effective way, and so that it can become a sustainable way, and a dignified way, and we are along way in Haiti in organizing this, and Grameen Creative Lab. at Kyushu University can do the same. And social business is all about creativity, and Japan is at the top of the world in bringing creativity. So how to use the creativity and the idea of innovations to address the problem that we have around us in Japan to solve the problems of the earthquake victims, and this is a good occasion to apply the concept of social business. And I hope that Kyushu University will a take the lead in bringing young people, bringing innovative people, creative people, and businesses and citizens to come together to come up with ideas to make the problems of the victims tolerable so that they can get out of the issues and get out of the problems they are facing right now. We are looking forward to it. And any help, anyway we can be associated with it, we are happy, and we are happy that this is being organized and we will bring all our experiences in this area. And I am sure this will create a new kind of experience for all of us, so that we can apply your experience, your creativity, in similar situations elsewhere. And I wish you all the success. Thank you very much.
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2011.09.18 Sun l 卒業生(英語コース出身)の活躍 l コメント (8) トラックバック (0) l top

コメント

ありがとうございました!
2003年卒「青樹会からのお知らせ」執筆者のMASAMIです。
戸叶先生には、私が学生だった頃からずっとお世話になっています。いつでも戸叶先生は「僕が先生にしてもらってきたことだから」と、後輩たちと真っ直ぐに向き合ってくださいました。

私も奨学金の試験の際、留学準備の際には、本当にたくさん助けて頂きました。
(東京のカッコいいオフィスで、アメリカ人の同僚の方と一緒に英語インタビューの場を設定してくださったとき 私は本当にカチコチでした)

今回の通訳のお仕事の話を伺った時、その取り組み方に心が熱くなりました、と同時にみんなにも知ってもらいたいと思いました。

後輩たちへ素敵なメッセージありがとうございました。みんなしっかり受け取ってくれると信じています!
2011.09.21 Wed l MASAMI. URL l 編集
さすがです
さすが戸叶先生です。その先生に小さい頃から英語を習っていたことを嬉しく、また誇らしくも思います。これからもお体に気を付けて頑張って下さい!
2011.09.21 Wed l Masatoshi.A. URL l 編集
おめでとうございます!
僕は戸叶先生に教えてもらう機会が多くはなかったのですが、それでも戸叶先生の授業に出させてもらった時はとても親切にわかりやすく教えていただきました。
人柄も非常に素晴らしくてこの話を聞いたときはすごい!と思ったのと同時に嬉しかったです。
陰ながら応援しています!これからも頑張ってください!
2011.09.22 Thu l TAKAHISA. URL l 編集
ごぶさたしています
もう何年も会っていないけれど、こうして活躍ぶりを知ることができて、とてもうれしいです。
後輩のためには未来への頼もしい姿を示すことになるにちがいないし、そして年齢ばかりだけれど先を行く私のような者としては、ややもすると弛みがちになる気持ちをぐぐっと引き締めてもらいました。
それにしてもユヌス氏の通訳に抜擢されるとは、なんて素晴らしいことなのでしょう。
青樹会みんなの励みになる活躍の報告、これからも楽しみにしています!
2011.09.25 Sun l KAYOKO. URL l 編集
皆様ありがとうございます
執筆してくれたMASAMIさん、素晴らしい記事をありがとうございました。自分も今後も頑張ろうという気になりました。
MasatoshiとTAKAHISA、コメントありがとう。元気にやっていますか。どうか充実した大学生活を送ってください。
KAYOKOさん
コメントありがとうございました。大変ご無沙汰しております。ご活躍の様子、伺っておりました。それから、留学準備中は大変お世話になりました。ありがとうございました。お陰さまでこのように元気にやっております!
2011.09.26 Mon l Tokano. URL l 編集
Congratulations!
とかの先生、ご無沙汰しております。

先生のこのような素晴らしいご活躍を知ることができ、
もっと頑張らなくてはと気持ちが引き締まりました。

最後にお会いしたのは何年も前になりますが、
いつも笑顔で穏やかな先生の姿が印象に残っています。
そして、こんな素敵な先生に教えて頂く機会があったことを本当に有り難く思いました。

これからの更なるご活躍を応援しています。
2011.09.27 Tue l Ryoko. URL l 編集
おめでとうございます
お久しぶりです
戸叶先生のご活躍を聞き、先生に英語を教わったことを誇りに思うとともに、気を引き締められました。
教え子としてまた後輩として、僕は僕の道で頑張っていきたいと思います。

P.S. いただいた戸叶ラーメンの無料券は使わずに今でも記念にとってあります
2011.09.29 Thu l Makoto. URL l 編集
ソコトコ拝見しました
戸叶先生お久しぶりです
大変お世話して頂いたおかげで、今とても充実した日々を送ることが出来ています。そして先生の活躍を拝見して、やる気が上がっています。
お体に気をつけてお仕事頑張ってください。
次お会い出来る時を楽しみにしています。
2011.10.12 Wed l shimada. URL l 編集

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