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受験の真っ最中で、毎日生徒たちを受験へ送り出しています。
ブログを楽しみにしてくださっている方、更新遅れていてごめんなさい!
青樹会の先生たちは、大学の過去問を毎日研究し、授業に臨む毎日です。
高校3年生たち、日々奮闘し、成長していますので、ご安心を。みんな本当に良く頑張っています。

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そんな中、先日2月1日に佐野高校でカナダ語学研修に向かう高校1年生(約40名)を対象にMASAMI先生が講話を行いました。MASAMI先生は、佐野高校の学校評議員をしており、生徒たちが海外に出る事前研修の一つとして講話を依頼されました。

今日は、その講話の内容をお伝えしたいと思います。
講話のタイトルは English is my passport.
生徒たち全員にカラフルな紙を用意し、一緒に考えながら、スピーチの要所要所でそこにまとめを書いていく、というスタイルをとりました。

 まず、パスポートとは何かをみんなで考えるところから始めました。国が発行してくれる、絶対になくしてはいけないと言われるパスポート、皆が取得したパスポートは何なのか?なぜ必要なのか?考えてもらいます。
 
 パスポートは、日本人である証明をしてくれるものです。パスポートがあって初めて国境を越え、自由に動けるということ、そして法律で守られます。皆どこかの国民であるという保証があることで初めて、海外を動くことができます。海外に出たとき、私たちは皆、日本人、なのです。

 次に、「異文化」を考えます。異文化体験と簡単にいうけれど、現代の国際社会にあってはそもそもの異文化の壁を見つけることが簡単ではなくなっています。先進国では、皆同じような車に乗り、服を着て、同じような食事をしているため、全くの別世界ではなく、似ているところが多いのが現代。明治時代であれば、ちょんまげ、下駄、畳、着物が普通の日本人にとって西洋の文化は仰天するものであったに違いありません。岩倉使節団も、夏目漱石も、本当にショックを受けたことでしょう、でも私たちは、写真や映像で「海外」を何度も見ているし、普段の生活の中にも外国のものはたくさん入り込んでいるのです。
(ということを話すと、皆そういわれてみれば、なるほど、と言った顔で真剣にきいています。)
 
 外から見ただけではわからない、異文化という地面を考えてみることにしました。それは、カナダに行くときに絶対に持っているべき認識、日本とカナダで大きく異なる点のことです。人間も、家も、国も、この地面の上に立っているわけです。日本が立つ地面とカナダが立つ地面の大きな違いは、何だと思いますか?
(「言葉」「性格」「食べ物」「習慣」などいくつかの意見がでました。)

 それは、「日本はずっとここにある国」であり、「決められたことに従う文化」であるということ。それとは反対に、カナダは「作った国」で、「意見をもち、話し合い、決定をする」ということが当然に行われる国であるということです。
(歴史の教科書で、暗記項目の一つとして皆習っていることですが、カナダが実際に新しい国、植民でできた、作られた国であると言われ、目を大きく見開いて驚いている生徒がちらほらいました。)

 そのような海外の文化に立った時、日本人は3Sであると言われます。Sで始まる英語が日本人の特徴を表している、ということです。その三つをみんなで考えてみました。
(皆さんはわかるでしょうか?)

答えは・・・
Silent黙って何も言わない。これはすぐに出てきました。私たちにも、自覚はあるのですよね。
他の二つはなかなかでてきません、でもヒントを出すと気づきました。
Sleepyです。眠っているわけではなくても、無関心で自分には関係ないという態度でいるように見えるということ。
そして、最後は日本人である私たちにはわかりにくいことですが、
Smileyです。何もおかしいことがないのに笑っている。笑えば済む、笑ってごまかすという言葉があるほどで、何かを言わずにニコニコしている日本人は、外国の人にとってはとてもわかりにくい。実際にイギリス人から「なぜ彼女はいつも笑っているのか」ととても不思議そうにきかれたことがあります。

 この3Sを捨てて、心にもパスポートをもち積極的に行動することで、文化に入り込むことができるのです。

 そして、3つ目のパスポートの話をするために、私自身の海外経験をお話しました。私の人生初の海外体験は、中3の時に佐野のプログラムで行ったアメリカのランカスター、そして次が高2の時に日英科学ワークショップの選抜に合格して訪れたイギリスのブリストル大学でした。ここで、「英語ができる」とは何なのか、エピソードと共に話しました。

 日本で「英会話ができる」とか「生きた英語」とかいうときに思い浮かべるものは、話す相手が私が日本人だと知っていて、私に話しかけてくれて、言うことをきいてくれるコミュニケーションのことです。こういう「プライベートな英語」に対して、イギリスに行ったとき、私は「パブリックな英語」の壁にあたり、大きなショックを受けました。「パブリックな英語」というのは、普通に英語がネイティブ同士で話される場で使われるもので、聴いている人がわからないかもしれない、という思いやりは必要ありません。私はこの思いやりを期待してイギリスに行きましたが、その甘えは捨てなければならない、と思うようになりました。海外で何かをする時には絶対にこの壁があり、逃げられない、でも、それと同時に大切なのは、せめて自分が発信できるということ、わからないまま黙っているのではいてもいなくても同じことになってしまう、だからせめて相手にきこうと思わせるような発言を心がけました。

 その後、私のイギリスでのナショナル・トラストやRSPBといった環境保護団体での仕事の話、国際的なミーティングの場(イギリス・カナダ)でのことなどをお話しました。このように海外の人たちと、連絡を取り合い、話し合い、何か仕事をしていくときに必要なのが英語であり、それが3つ目のパスポートになります。

3つのパスポート(3Sのかわりにもとう!)
1 国が発行してくれる、国境を越えるためのパスポート
2 文化に入り込むための、心のパスポート
3 英語というパスポート

みんなが第一のパスポートをとり、この出発点に立ちました。3Sを捨てて、積極的に海外に踏み込んでいくと、自分の世界が、地球上に広がっていきます。心のパスポートをもって、積極的に体験してきましょう。そして、海外の人たちと一緒に仕事ができるよう、英語というパスポートがとれるように頑張ってください。

このような講話を行いました。

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最後に、生徒の感想を紹介します。
皆が書いてくれた感想から、そこにいた全員が話をきちんと受け止めてくれたとわかり、講話ができたことを嬉しく思っています。

「自分の意見をちゃんともつこと。そしてそれを言葉にすること。それを心の中に常にもって滞在してきたいです。今日のお話をぜひ生かしていきたいと思います。」

「私は海外に行ったことがなかったので、ずっと日本とは大きく違った文化をもっていたり、異文化の壁が存在するのではないか、と思っていたので、今回、このお話を聞いて驚きました。しかし、新たに日本人が海外の方に思われる“3つのS”を知り、自分ではきっと海外に行っても気づかないことだと思うので、カナダに行ってもそのことを忘れずに生活していきたいなと思いました。」

「今日お話されたイギリスのことでは、パブリックな英語ということがどういうものか、わかりました。もし今イギリスに行ったら、イギリス人がどんなことを言いたいのかがさっぱり理解できないと思います。やはり、海外にでると“日本”という国旗を背負うのだと改めて感じました。日本とカナダの違いとは、歴史で習った、ずっとある国と、作られた国という点でした。日本は島国なので、言語も同じ言葉で話、海外の人との交流も少ないです。しかし、カナダはヨーロッパの人や、アメリカ人など、色々な人が集まって作られた国です。お互いを認め合うことはとても素晴らしいことです。今回を機にとても勉強になりました。3Sを捨てた心のパスポートを取りに行きたいと思います。」

「今日のお話はとても心に響きました。僕は自立をしたくてカナダに行きますが、その自立をするためにも、3Sを捨てて、生のパブリックの英語を体験してきます。」

「海外に行くには3つのパスポートが必要だということがわかりました。まだ私には二つ目、三つ目のパスポートがしっかりできていないので、カナダに行くまでに3つそろえられるようにしたいです。もっと積極的になろうと思いました。」

「外国へ行くと自分の意見を持つことが大切だと分かった。今まで英語さえできれば何とかなると思っていたけれど、それではいけないと思った。」

「プライベートの会話で、相手が僕たちが英語ができないと知っていないと会話が成り立たないというのは、とても理解できると同時に少し悔しかった。なので、少しでもその考えやまた日本人らしさだと思われている3Sを払拭できたらと思った。会った時からアクティブに積極的にコミュニケーションや行動をしたい。」

「今日の講演を聞いて、驚いたことがたくさんあった。最も大きかったのは『日本と外国が変わらなくなっている』ということである。今まで外国は日本とは全く異なると思っていたが、近代の国際化によって似たものになっていることを知った。しかし、すべてが「国際化」されているのではないことも知った。外国では、一歩踏み込むことを心がけたい。」

「3Sの日本人ではなく、自己主張できる日本人になりたいです。そして、行く目的を忘れずにしっかりコミュニケーションをとって頑張りたいです。今までの研修の中で一番ためになりました。」

「「日本人」という殻を破って、決まったことに従うのではなくてクリエイティブに、積極的にすごし、壁を自分から見つけて乗り越えていきたい。黙っているだけでは壁にさえ当たれない。手を挙げ、元気に、言いたいことははっきりとしたい。」

「「3つのパスポート」がないと、おそらく私の「人とのコミュニケーションをうまくとれるようになりたい」という目標は達成できないと感じました。3Sはすべて私に当てはまることなので、カナダに行くまでに少しでも変えていけたらいいな・・・と、カナダに行くまでの目標がまた一つできました。あと一か月で自分はどれだけ変われるか、そして2か月後にどれだけ変われるか、自分でそれを楽しみにして過ごしたいと思います。」

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現代では、海外に出ていくことは誰にでもできます。でも事前に、何かの視点をもって行く場合とそうでない場合は、経験に大きな差が出てくることを、個人的な経験から知っています。私も先生から学んだことです。

佐野高校のみんなが、素晴らしい経験をして大きくなって帰ってくることを楽しみにしています!
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2013.02.04 Mon l 卒業生(英語コース出身)の活躍 l コメント (0) トラックバック (0) l top