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昨日に引き続き 三枝巧先輩による記事です。

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今回の渡英したもう一つの目的は、障害者サッカーとブラインドサッカーのコーチングライセンスの講習を受けることでした。(障害者サッカーは、切断・ブラインド(視覚)・デフ(聴覚)・学習障害・脳性まひ、車いすのサッカーなど、幅広い障害を対象としており、ブラインドサッカーのコーチは、より専門的なブラインドサッカーのみに焦点を当てています。)

イギリス留学中に幸運にもThe FA Level1 Football Coachingの資格を取得する機会に恵まれました。この度挑戦した資格は、Level1の資格を持っていないと受講できないものだったので、待ちに待った念願のものでした。結果は、晴れて2つのコーチングライセンスを取得することができました。


障害者サッカーコーチングライセンス
コーチングライセンスの賞状

コーチングのテキストブック
講習で使用したテキストブック


無事にライセンスを取得できたことは大変うれしく思いますが、私にとってはそれ以上に、講習期間中に受けた内容がこれからの研究と指導経験の財産となりました。講習を通して学んだことの一つは、講習を担うコーチの指導方法でした。コーチの指導・講習の方法は決して「一方向の指導・試験」ではなく、受講者に積極的に「自ら体験し、考えて、積極的にお互いの意見を出し合う」ことを促していることでした。講習では、以下の写真のように参加者自身が体験しました。その上でどのように指導を行ったら良いのか・どうしたらもっと良くなるのか、参加者とコーチで話し合いました。


008.jpg
受講者がブラインドサッカーを自ら体験している場面



この講習会やコーチの指導方針をより端的に述べるならば、「初めから決められた指導法」でこれと押し付けるような講習の仕方ではなく、コーチに「考える、創造する力」を促すような意図あったように感じます。さらに、講習の雰囲気は参加者とコーチのお互いがイーブンの関係で積極的に意見を出し合い、コミュニケーションをとれる場であると感じました。実際、The FAのコーチングのテキストには「良いコーチとは選手に、教える、示す、問いかける、(選手の声に)耳を傾けられる」ことと書かれています。そのような始動のスタンスは、選手をコーチする時にもコーチから選手に一方的のベクトルですぐに答えを教え、選手もコーチの言われるままというものではなく、選手の「自主性と考える力」を引き出すことにも繋がっているのではないかと実感しました。


また、UEFAやLAギャラクシーで仕事をした経験を持つ(今回と以前の記事の写真に載っている)U18ブラインドサッカー(B2/3)のコーチは次のようなことを言っていました。

「創造性のない指導者から、創造性に溢れた選手は育たない。」

「コーチは誰よりも情熱的で、それでいて変化に対応できる柔軟性と、努力を怠らない継続性を持っていなければならない。」

「フットボールのコーチに限らず、何かの専門家、一流になろうとしたら最低10年はかかるでしょう。」ということを講習の最後にアドバイスしていたのも、とても印象的でした。

私自身は現在、障害者スポーツの勉強を続ける傍ら、筑波技術大学で視覚の大学生を対象にブラインドサッカーの指導に携わっています。先日、ブラインドサッカーの関東リーグと呼ばれる大会では、B1のブラインドサッカー、B2/3のフットサルともに関東一に輝くことができました。


胴上げ写真
優勝後の胴上げ ブラインドサッカー関東リーグにて。


来年の3月には、パラリンピックの3大会連覇中のパラリンピックブラジル代表が大会に招待され、関東で優勝した自分の所属するチームが試合をします。(夏にパラリンピックのブラインドサッカーの試合会場でみた、あのブラジル代表と自分の所属するチームがこんなにも早く対戦できることを、夢のように感じています。) 


コーチとしてまだまだ未熟で試行錯誤の毎日ですが、それでも情熱をもって楽しくブラインドサッカーの指導を行っています。

青樹会では、いよいよ受験シーズンですね。皆さんがベストを尽くせるように、卒業生の一人としてつくばからエールを送っています。

今回、イギリスの活動報告の場を設けてくださったことに感謝するとともに、今夏のイギリスの活動での報告とさせていただきます。

三枝 巧
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2012.12.31 Mon l 三枝巧先輩 イギリス留学2012 l コメント (3) トラックバック (0) l top